30歳からは絶対インハウスデザイナーを目指すべき3つの理由
20代後半でデザイン制作会社からインハウスへの転職を考えているデザイナーさんは少なくないでしょう。
でも、
「転職で失敗するのが怖い」
「今までと違う働き方に馴染めるのか不安」
など、インハウスへの転職を躊躇してしまう気持ちもわかります。
今日はそんなあなたの新しい一歩を後押しするお話をしようと思います。
将来の事を考えたら、30歳くらいで制作会社からインハウスデザイナーへ転向した方が良いと言うのが、長年デザイン業界を見てきた私の結論です。
デザイナーには大きく3つの働き方がありますよね?
- フリーランス、デザイン会社経営
- デザイン制作会社勤務
- インハウスデザイナー
将来的に独立してデザイン会社を経営し、ビジネスとして成功させられる自信があるのなら、どんな環境でデザインしていても良いと思います。
しかし多少なりとも自身のデザイナーとしてのキャリアに対して不安を抱えているのなら、インハウスデザイナーとしての経験を積む事をオススメします。
それは何故か?
3つの理由があるので、一つずつ説明しようと思います。
①40歳以降も活躍できる人になる為にはインハウスの経験が役に立つ
私がインハウスデザイナーの経験をオススメする理由の1つ目は、社会人としてのコミュニケーション能力を身につけられるからです。
インハウスデザイナーは制作会社のデザイナーよりデザインスキルが低いと言う人も少なくありません、それは単純にデザインをしている時間が少ないからです。
では何をしているのか?
様々なコミュニケーション業務をしています。
自社の関係部署の方々と業務調整をしたり、外注先との調整をしたり。デザイン意外にも様々な仕事があるのです。
20代、30代であればガムシャラにデザイン作業に没頭していれば仕事にも困らないですし、スキルアップに伴い収入も増え、自然とキャリアアップしていきます。
しかし、問題は40代以降どの様にデザイナーとして働くか?です。
40代以降は本当の意味で人とのコミュニケーション能力が問われ始める年齢です。それは年齢が上がるにつれデザインスキルよりも重要視されるのです。
フリーランスであれば、営業や外注先との取引、従業員がいればマネジメントなどなど、様々なことをしなければいけません。必然と社会人としてのコミュニケーション能力が鍛えられるので40代以降も自発的に仕事を作り働いていける力がつくでしょう。
しかし、デザイン作業を淡々とするだけの仕事をしていると40代以降でもう、お給与が上がらなくなってしまったり、お願いされる仕事も先細りになってしまう傾向にあります。最悪なケースでは優秀な若手デザイナーを雇う為にリストラなんて事もあります。
インハウスでは無くともデザイナーとしてコミュニケーション能力を身につけられる場所に身を置きましょう。特に30代に突入したら、20代の様に自分の仕事だけに集中してしまうのは将来的にリスクが高い行為だと認識すべきでしょう。
これが、必然的に様々なコミュニケーション業務を抱えるインハウスデザイナーを勧める一つ目の理由です。
②今後はマーケティングやブランディングなど商品を売る為の知識がデザイナーに求められる
インターネットやデザインツールの進歩に伴い「表面的なデザイン」は日々レベルアップしています。どんな商品やサービスのデザインをみても年々進化していますよね?
さらにデザインをアウトプットする作業スピードもどんどん加速しています。
簡単にある程度良いデザインを生み出せる若手デザイナーさんがどんどん増えているので、今後も表層的なデザイン単価はどんどん下がっていくでしょう。
長い先のキャリアを考えると単発デザインの仕事はリスクがあるのは間違い無さそうです。
いっぽうで、デザインと共にマーケティングやブランディングに精通していて長期間一つの商品やサービスを受け持ち、利益を徐々に伸ばせるデザイナーはこれからも重宝される事でしょう。
インハウスデザイナーはデザインの幅は狭くなるかもしれませんが、社内関係部署の方々と長期間に渡り仕事をする事で、デザイン以外にもマーケティングやブランディング、商品企画や広報など、様々な領域の知識も学べるチャンスがあります。
それらの経験は、表層的なデザインの価値が下がって来ている今の時代、デザイナーにとって大切な武器となるでしょう。
③30歳以降は余裕を持って働き、新しいスキルや知識を学ぶ時間を確保すべき
デザイナーとしてしっかりとした成果を残し、それなりの年収を長期間しっかりキープするには、新しいツールやスキル習得は必須です。
各自しっかり「自主勉強」の確保はマストです。
テクノロジーの進化が激しい今の時代、「専門スキルは5年程で陳腐化してしまう」とも言われています。
現在デザイン業界では表層的デザインの価値が下がる一方で、「デザインプロセス自体をどうデザインするか?」という部分での勝負が激しくなってきています。
具体的に言えば最新デザインツールを使いこなし、どれだけ効率化できるのか、の勝負です。
デザイナーと言っても様々な業種があり、それぞれ業務で使用するデザインソフトは違うでしょう。
基本的にはPhotoshopとIllustratorがあり、業種のスペシャリティーによって、Web開発ソフト、動画編集ソフト、3Dソフトなどを併用していると思います。
デザイナーとしてキャリアアップを目指すならやはり最新のデザインツールを一早くマスターし、複数のツールを使いこなせないといけない状況です。
ひと昔前であればPhotoshopとIllustratorを極めていけば、自然と年収を上げられましたが、今はもう状況が違います。
デザイナーの価値を高めるのは「どれだけ最新テクノロジーに精通しているか?どれだけデザインプロセスをアップグレードしているか?」と言っても過言ではありません。
5年前の自分から、現在使用しているデザインツールやマスターしている機能に数が増えていないのであれば、それはデザイナーとしての価値もさほど上がっていないに等しいのです。
「仕事が忙しくて残業ばかり、今ある知識とスキルを切り売りしている」状態のデザイナーは多いですが、それは本当に危険です。
特に30代以降は、新しいツールを使いこなす若手とこれからもデザイナーとして勝負していかなければいけません。
それには新しいツールを勉強する時間の確保が大切です。
現在デザイン制作会社よりもインハウスのほうが残業時間が少ない傾向にあります。
もしあなたが「日々忙しく過ぎて、このままで自分は将来大丈夫なのか?」と考えているのなら、まずはデザイナーとして価値をあげる為の勉強時間を確保する事から始めてみては如何でしょうか?
その環境を手に入れる為に時間に余裕を持てる会社へと転職する事は大きな前進となるでしょう。
以上が、
30歳くらいで制作会社からインハウスデザイナーへ転向した方が良いと思う理由です。
これは長年デザイン業界を見てきた私の経験知なので、すべてのデザイナーさんへ当てはまる結論ではないかもしれません、しかし今後のキャリアを考える上では一つの参考にはなると思います。
制作会社からインハウスへの転職を考えているデザイナーさんは是非チャレンジしてみて下さい。