一流デザイナーは他とどう違うの?凄いプロデザイナーになるには?
デザイナーにも色々います。一流企業で一流クライアントの仕事を任せてもらえるスーパーデザイナー。
小さなお仕事をちょとずつこなす新米デザイナー。
今日は、一流デザイナーって、他のデザイナーとどう違うの?どうしたら大きな仕事を任せてもらえるの?といったことを説明したいと思います。
最近は未経験から手軽にデザイナーを始める方もいますので、どうしたらステップアップできるのかヒントになるかと思います。
筆者の情報
EL(える)
有名パッケージデザイン会社でグラフィックデザイナーとして活躍。
誰もが知っている大手食品メーカー数社のメイン商品〜新商品まで忙しくデザインしていました。デザインカンプ段階から写真(一部は写真家に依頼)、イラスト、仕上げまで一人で担当。
ひと月に発売される自分のデザインした商品は2〜3つ。常にコンビニやスーパーで自分の商品がいくつも並ぶような仕事をしていました。
皆さんもきっと、私のデザインした商品を購入していますよ!
デザイン系学校生のデザインスキルは年々上がっている
パソコンと情報取得術の進化によって、学生さんのデザインスキルは実は年々上がっています。SNSなんかでもおしゃれなデザインは見かけますし、卒業制作もおしゃれなデザインが多いです。
今はツイッター、インスタグラム、youtubeなんかのコンテンツを自分で作る人も多いですから、デザイン志望の学生さんでなくてもデザインスキルが高い人は多いと感じます。
とはいえ、それだけでは足りません。
プロデザイナーはおしゃれなデザインをするだけではない
プロのデザイナー。とりわけ一流デザイナーたちは、おしゃれでかっこいいデザインをするわけではありません。
学生さんや、未経験でデザイナーになりたいと考える方の中には、おしゃれなデザインを目指して満足してしまう人が多いですが、プロというのはもっと高みにいると思ってください。
おしゃれなデザインは簡単にできる
実はおしゃれなデザインって結構簡単にできます。
「それが難しいんじゃないの!?」と思った人もいるかもしれませんが、違うんです。先ほど述べた通り、おしゃれなデザインなら学生でもできる!
なんとなくおしゃれなものならすでにA.I.ができる。例えばロゴならhatchfulやCanvaなどがそうですね。
「なんかいい感じ」なロゴならこれで作れます。デザイナー泣かせと言われていますが、本来のデザイナーの仕事はこういうものではありませんね。次で説明します。
一流デザイナーになるためにすべきこと
それでは、どうしたら「一流デザイナー」になって大きな仕事を得ることができるのでしょうか?
一流デザイナーが他と違うところは、実はこんなところなんです。
ぜひ、こういうデザイナーを目指してみてくださいね!
売り上げを確実に上げるデザインができる
おしゃれなデザインなら誰でもできる。でも、売り上げを確実に上げるというのはかなりの経験がないとできません。市場の知識とコツが必要になってきます。
あなたは売り上げが必ず上がるデザインができていますか?
売り場や使用シーンに合わせてデザインできる
通販、店頭、室内、外。商品をどこでどのように売るのかによって、デザインは大きく変化させなくてはいけません。
通販ならシンプルでおしゃれなものでもいいですが、店頭でたくさんの商品から選んでもらうとなると、わかりやすくて伝わりやすく、ライバルと差別化することが重要になります。室内で売るのと外で売るのでは色を変えなくてはいけませんよね。
売り場に合わせてデザインをし、それを適切に選ぶことができていますか?
メール上で「これでどうですか〜?」「いい感じですね」なんて確認したまま進めてしまうと、売り場に出した時全然「選んでもらえない」デザインになってしまったりします。
狙ったターゲットに響くデザインができる
デザインをすると、ついつい自分がいいと思うデザインになりがちですが、自分とは違う性別や年齢に響くデザインを作れなくてはいけません。クライアント望むターゲット層にしっかり合うデザインができますか?
法律と設計要件を完璧にクリアできる
法律上大きさが決まっていたり、文字を入れてはいけない場所があったり。そういう知識はなかなか現場で活躍しなければ身につかないものですが、クライアントからすればこういう細かい説明をせずとも設計要件をクリアしてくれる、コミュニケーションがスムーズなデザイナーと仕事がしたいと思うものです。こればかりは経験がものを言います。企業に勤めた経験がないとどうしても補完できませんね。
クライアントの要望を全て叶えられる
かっこいいからこっちの方がいいのに。と思ったとしても、基本的にはクライアントがしたいデザインを優先しなくてはいけません。あれも入れたい、これもしたい、というクライアントもいますが、そこをしっかり満たしつつ売り上げが上がるデザインをしたり、もっと良い提案をして相手を説得しなければいけません。これがかなり骨の折れる作業。一流と二流の差が大きく出るところです。
印刷や製造の限界を理解している
こんなデザインがしたい!と思っても印刷や製造をしてみると思った仕上がりと違った!なんてことが必ずでてきます。現代の技術でできる限界を理解しておかないと、狙ったデザインが実現できません。これは経験で身に付けるものですが、印刷会社や技術者にしっかりと相談して擦り合わせすることで解消できるかもしれません。
材質や形状に合わせて最適なデザインができる
箱にデザインしたり、袋にデザインしたり、電車の中吊り広告なんて場合もありますが、それぞれ形状も材質も違うので、光の反射を考えてインクや色を考慮しなければいけません。パソコンの画面をみるだけではダメで、実寸でサンプルを作り、実際の売り場や使用シーンを再現してなんどもミリ単位の修正をすることが必要です。
ブランド感を考慮できる
その企業ならではのブランド感。シリーズものの「らしさ」。統一感。単品のデザインだけではなく長期的な目線で、商品のブランド力を高められる戦略が必要です。
写真、イラストもできる
グラフィックデザイン、web、プロダクト、建築。どのデザインにおいても写真やイラストの知識がある程度必要になってきます。写真やイラストは誰かが勝手に撮って指定してくれるわけではありません。自分でアングルを考えて、自分で撮るか指示しなければいけないのですから、デザインにしっかり合う最高の写真やイラストを自分で用意できるスキルが必要です。
上記の要件を満たしながら、幅のあるデザインを10案以上出せる
上記のすべての項目を満たすのはかなり大変ですよね?だというのに、プロのデザイナーはすべての要件を満たしつつ、幅のあるデザイン案を10案やそれ以上、クライアントに提案できなければいけません。
クライアントから2案見せてと言われても、自分では10案くらい作って練習しておきましょう。かなりスキルが上がります。(ただし、クライアントから2案と言われたら、基本的には2案しか見せてはいけません。ここで何案も見せてしまうと、「簡単に作れるんだ」と思われてデザインが安く買い叩かれたり大量の無駄な修正を食らったりします。これは私の経験上。)
プロのデザイナーはツイッターもしないし簡単に自分の作品を見せない
一流企業のデザインを担当するデザイナーというのは、守秘義務によって簡単には「自分はこれをやりました」と言うことができません。
しかもあまりに忙しいためツイッターなんて使い方を知らないです、多分笑。何せ、流行語大賞のワードさえ知らないなんてことがあります。
ですから、ツイッターでばかり情報収集していても一流デザイナーの意見は得にくいです。
また、デザイナーにデザインを依頼したい場合でも、SNSを利用してもなかなかいいデザイナーには出会えません。一流のデザイン会社に依頼する方がいいですね。
本などを積極的に読んだ方が勉強になっておすすめです。
さらに上!超一流デザイナーになるためには
各業界には雑誌でインタビューを受けるような有名デザイナーが存在するものです。
一流を超える超有名デザイナーになるためには、またさらに条件が存在します。
- コネがある
- 有名大学出身である(これはコネを作る上でほぼ必須なんです)
- 有名企業や有名デザイナーの弟子に新卒で入る
- デザイン賞を取る(これも偉い人のコネがないと取れない仕組みになっています。デザイン業界のブラックな実情です)
- 自分で個展をひらけるほどの芸術活動ができる(絵画、空間デザイン、版画などなんでもいいんですが、そういう一流芸術スキルがなけらば作ったデザインも芸術センスに欠けたものになってしまいます。超一流デザイナーはみんな、個展ができるほどのすごい芸術家でもあります。)
- 自己ブランディング
大変難しいですね。年に何千ものデザイナー志望者がこの小さな枠をかけて切磋琢磨しています。
努力しただけではこうはなれません。豪運と、さらには偉いデザイナーさん達に気に入られるような振る舞い方が必要かもしれません。
人脈は難しいですが、芸術家のようなクリエイティビティは目指したいところです。
同じデザイナーでもスキルは天と地ほども違う!磨き続けよう
一人前のデザイナーになるためには、徹夜もしてがっつり仕事をしていても3年以上かかります。
それまでは普通、世に出て売れるようなデザインは一人でこなせないでしょう。
一流デザイナーの中には、駆け出しデザイナーを「同じデザイナーとして呼ばないでほしい」という人もいます(一部の方ですが)
これは例えるなら、役者でいう「エキストラ」と、「ドラマや映画に出る俳優」の違いのようなものです。確かに、ドラマや映画に出る俳優さんからすればエキストラとは同じにしないでと思うものかもしれませんね。
ですが私は、駆け出しデザイナーさんでも大きな夢を持って仕事を始めたのだと思いますし、応援したいと思っています。
このサイトでは、他にもデザインのコツや就職、転職のことを書かせていただいています。よかったら読んでみてください。相談も受け付けています。お気軽にどうぞ!
それでは