『グラフィックデザイナー将来性』が凄く心配だ。。。
「グラフィックデザイナーの将来性が心配だ。。。長時間労働だし、お給料もそんなに高くない、しかも最近は徐々にお仕事の単価も下がっている。。。う〜ん、どう考えてもこれから先の未来が心配だ。。。」
残念ながら、こう考えているデザイナーさんは多いですね。
何年間かデザイン業界で働いたことがある人は余計に共感できるかも知れません。
毎日夜遅くまで働いて、たまに休日出勤、必死に頑張って働いて、年収が300万〜400万円。現状このようなデザイナーの方が多いようです。日本の労働者の平均年収が400万ちょっとなので、労働時間の割に合わないと感じてしまっても、致し方ないでしょう。
「最近は出版不況でグラフィックデザインの仕事が減っているから、これもしょうがないのかも知れないな。。。この先どうなるのだろうか?」そんな不安を抱えながら、グラフィックデザイナーとして働いている人も少なくないと思います。
しかし、何故このような状況になってしまうのでしょうか?
「不況だから」と単純に判断するのは片手落ちですね。
それに『不況』を唯一の理由にしたら、打開策は見えて来ません。
世の中、どんな時代も潤っている人はいるものです。
当然、グラフィックデザイナーの中でも潤っている人もいますよね?
グラフィックデザイナーの将来性が心配になるのには、『不況』の他に、もっと本質的な問題があるんです。それでは、不況の影響を受けてしまうグラフィックデザイナーと、不況の影響を受けないグラフィックデザイナーの差は何処にあるのでしょうか?今日はその本質について考えていきましょう。
グラフィックデザイナーのお給料が下がる理由。それは『若手デザイナー』がどんどん優秀になっているからである。
意外かと思いますが、グラフィックデザイナーの待遇が右肩下がりになってしまっている原因は、『若手グラフィックデザイナー』のレベルが右肩上がりで成長している事が強く影響しています。
「最近の若い者は。。。」というオジさんはいつの時代もいるものですが、確実に、いつの時代も若い者の方が遥かに優秀です。
『今現在40歳のデザイナーが25歳だった時のデザインレベル』それと、『今現在25歳のデザイナーのデザインレベル』比較してみれば明らかに、今現在の25歳デザイナーの方が能力は上でしょう(当然、個人差はあれど平均したら間違いありません)
その上、PhotoshopやIllustratorなどのグラフィックデザイナーが使用するデザインツールも高性能で、さらに使いやすく進化しています。パソコンの性能も進化しているので、デザイナーの業務スピードは著しくスピードアップしていますね。
良くもまぁ、若いデザイナーはこの現状に対応できているなぁ。と感心せざる終えません。タイムマシンで過去にタイムスリップしたらスーパーデザイナー扱いされる事でしょう(笑
また、『デザイナーになる為の修行期間』も大幅に短縮されていますね。
今の時代、デザイナーになる為のノウハウも大量に出回っているので『ちょっとしたデザイン』であれば、デザインについて大学や専門学校で2〜4年をかけて勉強せずとも習得してしまう優秀な人も少なくありません。PhotoshopやIllustratorもリーズナブルで購入しやすくなっています。
PhotoshopやIllustratorはもはやプロデザイナーの為だけのツールではなく、デザインに興味がある全ての人が容易に扱えるツールとなりました。
皮肉なことに、
『若手デザイナーが優秀になればなるほど、デザインツールが進化すれば進化するほど、それに反比例してデザイナー業務の価値は下がっていきます』
『カメラマン』という他の職業をみると分かりやすいですね。
20年前は『撮影機材を扱えて、写真を取れれば職業になった』ものが、今は誰でも容易にカメラを扱えて『ちょっとした綺麗な写真』であれば多くの人が自分で撮影できてしまうので、今の時代の職業カメラマンは20年前と比較すると、遥かにハードルが高い職業になっています。『撮影機材を扱えて、写真を取れる』だけでは最早仕事として成り立ちません。
グラフィックデザイナーも「PhotoshopやIllustratorを使って、綺麗なグラフィックをつくれる」だけでは今後、大変な時代が来そうです(既に来てるかも?)
全ての専門職は陳腐化する運命
上記の話をすると、
「やっぱりグラフィックデザイナーの将来性は無いんだ。。。」
と多くの方が感じると思います。
しかし、安心してください。
グラフィックデザイナーに限らず、全ての専門職は陳腐化していきます。
将来が不安なのはなにもグラフィックデザイナーだけではありません。プログラマーだろうが、エンジニア、建築家、翻訳家、などなど、例外は無いですね。
「長い目で見れば、将来性のある職業なんて無い」こう言っても良いかもしれません。
20年後、世界がどのような状態になっているかは分かりませんが、かなりの高確率で専門職は、その労働価値が下がっているはずです。全ての職業で『カメラマン』が激しい淘汰の荒波に晒されたように、試練の時は必ずやって来ます(当然、その前に事務作業など単純な労働はそれ以上に悲惨な状態になりそうです)
『若者がどんどん優秀になる世界』
『テクノロジーが進化する世界』
この中では、全ての労働者はだんだんと価値が下がってしまうのです。
これはもう避けられません。。。う〜ん、大変な時代ですね。。。
『希少人材』はいつの時代も優遇される
全ての専門職が陳腐化していく世の中。
しかし、そこにはちゃんと打開策が存在します。
『希少人材』になるのが不安を取り払う為の有効策の1つでしょう。
全ての専門職の価値が下がって行っても、全ての人が等しく貧しくなる訳ではありません。
世の中は常に『希少人材』を求めるものなので、実際は『希少性のあるデザイナーはどんどん豊かになり』反対に『陳腐化してしまったデザイナーはどんどん貧しくなる』という二極化が進み、中間層の喪失が起こります。
では如何にして『希少人材』になるのか?
これは大きく分けて、2つの方法があります。
①トップ1%のスキルを身につける
これはもうガチンコの実力勝負。単純です。
才能と努力、そして運によって、トップ1%に入れれば時代や職業に関係なく仕事に恵まれることでしょう。しかし、これはとても狭き門ですね。
②複数の専門スキルを身につける
2つ目はデザイン以外の専門スキル・知識を身につける方法です。
こちらはトップ1%を目指すよりも、現実的で確実性が高い道ですね。
アメリカの大学では広くダブルメジャー(Double Major)が浸透しています。これは同時に二つの異なる専攻で学位を取得することを指す言葉です。
例)建築+中国語 / 法学+国際ビジネス などなど
なぜダブルメジャーがスタンダードになって来ているかと言うと「今後は1つの専門性では勝負できない高度な時代が来る」と予想されているからです。
「手に職(1つの専門性)があれば安泰だ」
以前はこんな言葉もありましたが、これからの時代は「安泰を目指すなら、少なくとも2つの専門性が必要だ」という言葉がスローガンになるでしょう。
『デザイナーのキャリア設計』は計画的に!
「グラフィックデザイナーの将来性が心配だ。。。長時間労働だし、お給料もそんなに高くない、しかも最近は徐々にお仕事の単価も下がっている。。。う〜ん、どう考えてもこれから先の未来が心配だ。。。」
こんな不安を抱いている一部のデザイナーは既に動き始めています。
その多くが『複数の専門スキルを身につける』方向でキャリア設計をしていますね。
(デザイナーでトップ1%のスキルを目指すのは至難の技)
従来のグラフィックデザイナーのスキルに加えて、
『プログラミングが出来てアプリを自作できるスキル』
『マネジメントスキルを磨いて若くしてアートディレクターを目指す』
『PhotoshopやIllustrator以外のツールを使って、モーションデザインや3Dグラフィックデザインが出来る』
『ITに精通して、インターネットでビジネスを立ち上げる』
などなど。2つ目のスキルが習得できれば、グラフィックデザイナーとしての『希少性』がグーンと跳ね上がることでしょう。この他にも希少性を上げる為のセカンドスキルは無数に存在します。
1つの職場・会社では学べるスキルに限りがあるので、思い切って転職をする事で2つ目の専門スキルを磨くのも良いでしょう。
グラフィックデザイナーとして働きながら、日々自主勉強。自主制作に励む事で、2つ目の専門スキルを身につけるのも良いでしょう。
はたまた、一度休職してじっくり勉強する時間を設けても良いかもしれません。
それほど『希少性』はデザイナーにとって、これからのキャリアを考える上で重要な要素です。是非、しっかりと自分の人生をデザインしていきましょう◎
でわでわ、今日はこの辺で。
良いデザイナー人生を^^!