エディトリアルデザイナーの良いところ、悪いところの経験を語る

私はパッケージデザイナーになる前に、大手のファッション誌や漫画・書籍などを何十冊も手がける大手デザイン事務所で働いていました。

アルバイトで9ヶ月だったのですが、エディトリアルデザイン業界のいろいろなことを経験したので、良いところや悪いところを語りたいと思います。

その後体験談も書きますので興味があれば読んでください。

とてもクレイジーでカオスです!

 

エディトリアルデザイナーの良いところ

この職を経験すると、人生ヌルゲー。

あえて利点を挙げるとすれば、この職業を経験すると、その後の人生のあらゆる事はぬるく感じられる事でしょうか笑。

ブラック企業だろうが離婚だろうが、「それが何か?」ってくらいの鉄人になれます。

 

変人に出会える

月曜から夜更かしで取材されそうな変人が、なぜかこの雑誌業界にはわんさかいます。

社員もだけどクライアント(編集者やライター)のクセが強すぎます。

ホラーライターのおじさんが、打ち合わせの数時間、ホラー話を真剣に語るってこともありました。

「すごい怖いです〜」っていい続けるしかない。担当社員よく耐えたな….。

 

エディトリアルデザイナーの悪いところ

あまりデザインできない

自由にデザインできる場所が少ないです。

写真も、文字も、レイアウトも全て編集部が決めてしまいます。

細かい線の入った紙に、入れるべき文字と写真の位置、写真番号が書かれているので、デザイナーはその指示通りにデザインしなければなりません。

じゃあどこをデザインするの?

  • 写真の色調整や修正
  • フォント選び
  • フォントの大きさを微調整
  • 背景の色と装飾

が主な仕事内容です。

例えば、ジャニーズアイドルのコラムの背景に、桜の花びらを散らしてみたり。ってこともありましたね。

 

デザイン界ではぶっちぎりのきつい労働

グラフィックデザインを学校で勉強すると、いろんなデザイナー職を選べますが、その中でぶっちぎりキツイ労働環境なのがエディトリアルデザイナーです。

給与は他業種よりちょっと多めにもらえますが、毎週・毎月発売される何十冊の雑誌ですよ?とんでもないページ数をデザインする事になります。

文字数も多いし写真数もとんでもない量です。

一日の労働時間は15時間〜24時間です。

当然毎日徹夜です。

 

仕事が超夜型

雑誌編集部を題材にしたドラマや漫画があるので、編集部がとても忙しいというのは知っているかもしれませんが、その無茶振りを受けるのがデザイン事務所です。編集部が深夜にギリギリで上げてきた素材を、夜から朝までかけてデザイン、朝7時に入稿します。

出勤時間は10時〜14時の間。深夜が忙しさのピークです。

編集者からの電話が夕方から翌朝までずーっとなり続けます….。

曜日にもよりますが毎日だいたいこんな感じ。

もちろん担当する雑誌は1冊ではないので、教科書や求人誌なども別の時間で進めなければなりません。

 

編集者と喧嘩になる

イライラしまくりの編集者から夜通し電話指示がくるので、大喧嘩になることがよくあります。

「このデザインじゃダメだ」「いや、こうすべき」「寝るな!」「ちゃんと席にいてよ!(外で食事とるな!)」など。

 

人がすぐ辞める

社員の入れ替わりがとても激しいです。

辞める理由の多くは、編集者と喧嘩になったり大失敗したりして気まずくなったからです。

 

働いてみた!どうだった?

私のいた会社がどうだったのか、私の体験談をリアルに書きます。

ここからは一会社の話なのでエディトリアルデザイン会社全てではありません。が、似たところはあると思います。

入社のきっかけ

普通はみんな「雑誌が好き!」って理由で、就職を見据えてアルバイトをしに来るんですが、私は興味ありませんでした。

なんとなく、デザインの現場を見ておきたかったんです。

どんな会社?

雑誌のデザイン事務所では1、2位を争う大手でした。

  • 某有名ファッション誌をたくさん
  • 音楽情報誌
  • アイドル誌
  • 漫画誌の表紙
  • 有名塾の教科書
  • エロ本
  • 求人誌

などなど。

社員数およそ40人で全員デザイナーです(ディレクターとか補佐がいない)

バイト代一日5000円

学校の後、夕方から翌朝(または翌昼)まで休憩なしで奴隷のように働かされるのに日給5000円というぶっちぎり法外な値段です。

会社の雰囲気は?

結構怖いんですよ。

狭い部屋で作業させられていました。

社員がとても個性的で、例えばやさぐれたヤンキーみたいなお姉さんと一晩中同室で作業するのが怖かったです笑。

アニメの制作現場って見たことあるでしょう?あれよりもっと仕切りが多くてじっとりした雰囲気です。

何年も換気していなさそう。

作業効率の悪さにびっくり

社員全員に全く余裕がないので、改善する暇さえありません。

例えば、社屋が3箇所に別れていて徒歩5分ほど。当然ネットワークも内線も繋げられないので、別スタジオに電話を掛け直してもらわなきゃならない。

データはメモリーカードに入れて別棟にバイトが運びます。それを一日になんども…!

パソコンが壊れても直す人がいない。

パソコンが10年前モデル

忙しいというのに、会社のパソコンが10年前のまま!!交換する暇がないんです。

トップデザイナーのパソコンのみ最新です。

ある社員は、自前のmac book proを持ってきて作業していました。だってまともに動かないですもん。

新人教育すらできない

なぜか部屋を新人2人とバイト1人であてがわれました。新人に教える人がいない。バイトが社員に仕事を教えるっていう謎の展開が生まれる。

社員が浮世離れ

社員たちが働きすぎて世間とズレます。

忘年会で、ある社員がその年流行語大賞をとった芸人のモノマネをすることになったのですが、「誰それ?知らなかった」という一言に絶句。

買い物にいけないので、社員の通販の宅配便が、なんと会社に届きます。家か!

 

嫌だった作業

写真の切抜きですね。Photoshopで切抜きしますが、大変でしょう?それを一日に何百枚とかやらされます。

私は未だに雑誌の30日着まわしコーデとか、雑貨の特集ページを見ると気持ち悪くなります。その写真切り抜きとんでもなく大変だったよな…と。

あと、社員みんなイライラしているのでいじめられますね。嫌味をよくぶつけられます。奴隷みたいでした。

なぜ辞めたの?

辞めたきっかけは、某大手メーカーのインターンシップに合格したからだったのですが、正直この業界を見てしまったら、まともな企業に入りたくてたまらなくなったんです笑。

最初から雑誌関係に就職する気はなかったのですが、現場を見てさらに「ヤバイな」と思いました。就職希望から「雑誌系」は完全に消えました。

働いて良かったところ

結局パッケージデザイナーとして就職したのですが、エディトリアルよりはるかにましなので、上司が文句言うようなスケージュールでも私にはぬるかったです。全てがましに思えたので、タフネスがグッとアップしました笑。

 

 

他に何か質問があればコメントからお気軽にどうぞ〜

答えられることなら答えます!

EL

「デザイン業界の歩き方」運営の一人。フランス住→帰国して1年 フリーランスデザイナー。特技はフランス語だけど、英語が全然できないポンコツ。でもこんど住むならロンドンがいいなと思ってる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。