パッケージデザイナーで良かった事、悪かった事。楽しい?

目指してパッケージデザイナーになったものの、良かったことも悪かったこともありました!

今日は、7年パッケージデザイナーとして働いてみてどうだったか、利点も欠点も書き出してみます!

 

パッケージデザインとは?簡単に言うと

箱や袋に印刷されるデザインですね。大きく分けて二つあります。

コンビニやスーパーに並ぶ日用品のデザイン

チョコレートだったりカップ麺だったり…..主に大手メーカーから仕事を受けてデザインします。コンビニならすぐ商品が入れ替わってしまいますし命の短い商品のデザインをする事が多いですね。ただ、超有名なあの商品を手がける…なんてこともある夢のある職業だったりします。

デパ地下商品やパティスリーなどの菓子箱のデザイン

お土産品などの箱をデザインする仕事です。お菓子屋さんから依頼を受けるので、主に中小企業となりますね。一度デザインすると何年も残る可能性がある仕事です。コンビニ商品よりもアート寄りのデザインをする事ができます。

 

パッケージデザイナーになって良かったこと

私は、主にコンビニやスーパーで並ぶ商品を手がける会社に新卒入社したのですが、入社して数ヶ月で店頭に並ぶ商品の一部を手伝いました。

最初に手がけたのは、キャンディのスティック型パッケージに入れるキャンペーンマークでした。

キャンディ自体は直属の上司の仕事でした。

「くちあたりなめらか」みたいなマークだったと思うのですが、8案くらい完成形でパソコンで作成し、上司とメーカーの担当者が話し合って一案に絞られました。

発売まで半年かかるのですが、もうドキドキしてたまらないんですよ!

毎日コンビニのキャンディ・ガム棚でキャンペーンマークを探していました。癖がつくほど。

…..結局、このデザイン世には出なかったんですけどね笑。

担当者が納品を忘れたんです。多分!デザイン費自体は会社が受け取ったはずなので、文句は言えなかったですけど、人生かけてデザインした側からするともうがっかり通り越して呆れ果てました。レアケースだけどこんな事あるのぉお!

ただこのデザイン、デザイン本に載ることになったんですよね!本になりました!!もちろん上司のキャンディのパッケージデザインが優れていたからですけどね笑!

一つの商品を一人で全部手がけられる!

広告なんかだと写真もコピーもレイアウトも全部別々の人が担当するなんて事が多いのですが、パッケージは普通一人で全部やりきります。

写真は最終的にはカメラマンに依頼しますが、その指示のために同じ写真を事前に撮影しますし、お菓子作りも料理もしました笑。

ある商品の「スイートポテト味」のイメージ写真用に、会社でスイートポテトを手作りしなければならなかったんです….。他にもクリームとかチョコレートとか。

パッケージに味イメージとして出て来るフルーツや料理なんかは実はデザイナーが自分で作っているんですよー!

うちの会社は男性でも一人残らず生クリームのホイップやチョコレートのテンパリングが完璧にできます笑!フルーツカッティングも超上手い。

実力があると死ぬほど仕事が来る!

仕事はだいたいいつも社内コンペで、2〜3人のデザイナーが3案づつとか出して、クライアント側が決定します。

最初はコンペ取れて嬉しいんですけど、その商品が売れてシリーズ化することになったり、また新しいコンペを取ればどうしたって仕事が増えていきますよね?

仕事できる人ほど寝る暇が無くなります!

そしてサボって適当にやっているデザイナーはコンペなんて全く取れないから暇になります。定時に帰ってます。

私は「超」がつくほどの負けず嫌いでして、徹夜して土日を勉強に捧げても勝ちたかった。つまり忙しすぎる人の一人でした。

毎月1〜2商品、コンビニやスーパーに自分のデザインした商品が発売されるんですよ!コンビニに行くと絶対自分の商品が置いてある。すごいでしょ笑。

でもあまりにも徹夜続きで日付の感覚もないし、もう当たり前になってしまうので、初めて手がけたパッケージほどの感動や気恥ずかしさは無くなっていきますね。もう疲れて死んでしまうかと思うくらい忙しすぎる日々が続くんですよ。

まあ優越感と充実感は半端なくあります!

手がけた作品が手元に残る!

他の広告などのデザインと違って、「商品そのもの」=プロダクトに近い デザインをするので、歴史に残りやすいというか、人の記憶にも残りやすいというのが最高なところですね。

海外にも輸出されます。海外旅行先で自分のパッケージを見かけたときは嬉しかった!

子供が生まれたら、「このパッケージ実は….」って仕事を紹介してあげることもできます。しかも、自分一人で全部デザインしているからドヤ顔できる!

何でも屋になっていた!

なんでも一人でこなすので、気づけばなんでもできる人になっていました。イラスト・写真・料理・筆文字・ロゴ・コピー文・季節外でも新鮮なフルーツを大量に手に入れる術、レイアウト、印刷知識、精密な工作(本物そっくりの商品サンプルを組み立てなければいけないので)…..なんでもござれ!

ポケモン商品を長年やったおかげで、ポケモン全部言えるし描ける50代のデザイナーもいたなあ。

特に筆文字がパッケージデザイナーならでは。「ラーメン」「さきいか」「こしあん」などの文字を筆で書くんですよ。これも外注ではなく自分でやります。習字が上手くても全然ダメで、デザイン筆文字というのは全くの別物です。私は暇さえあれば深夜まで練習してなんとか商品にしても恥ずかしくない技術を掴みました。が、ほぼ一度も商品化しませんでした笑。案出しで8〜12案出させられるので、何個かのアイディアに筆文字を入れることもあるんですが、選ばれませんでした笑。これはコンビニ商品ではなくデパ地下商品のパッケージデザイナーの方がより役立つスキルですね。

これだけできるから、近所の個人経営の定食屋とか居酒屋のメニュー作りもかなり綺麗にできるんですがね…そんな営業力ないんですが笑。誰か仕事をください。

 

パッケージデザイナーになって悪かったこと

まあさっきまでの話で結構出てますが、デメリットや辛かったことももちろんありました。

仕事ができるデザイナーに仕事が偏る!

サボりたい気質の先輩たちから仕事をどんどん押し付けられる形になりました。「よくやるね〜」なんて言われたりして。

自分で獲得して育ててきたブランドはもちろん手放せないし、手がけたデザインが高評価・高売り上げとなれば、また私に名指しで仕事が来るんで…嬉しくて引き受けちゃうんですよね。

最高で、6日丸々会社泊まり、風呂入らず…..って時がありましたね。下着や肌着だけは替えないと気持ち悪くてコンビニで買って着替えました。もう髪も化粧もどうでもいい。

他に任せられるデザイナーがとにかくいなかった。暇なデザイナー=とにかく適当にひどいデザインをする先輩 だったので誰にも頼れなかったです。

定期券とか買わない方が得でしたね。家に全然帰らないので笑。

横になって寝れるというのがいかにありがたいか知ることになりました。

意外とあるな〜男尊女卑

デザイナーの世界って、かなり男女平等だと思っていたんですが、私のいた会社は違いました。

何日も徹夜しても、女性だと身だしなみや化粧が完璧でないと低評価。男性はだらしなくても許される。

女性はすぐ会社を辞めると思われていて、出世街道に乗せてもらえない。均衡した実力の同期は期待の社員として持ち上げられる。

女性は社内掃除をたくさんさせられる。

料理が必要など手間のかかる仕事は女性に。

上司が男性だけなので、一部の男性上司は、女性をペット扱い。媚びる女性が続出。仕事の実力より媚びた方がおいしい仕事をもらえた(私はやりませんよ)

全然実力主義じゃない!

完璧なデザインを仕上げる→発売→「次のリニューアルですが…」

何ヶ月もかけて商品のデザインをしたとします。しかもそれが、新しくて美しくて売れ筋のいい、完璧なデザインに仕上がった!…..のに、発売直後に「次のリニューアルデザインをお願いします」って言われます。

正直これが一番きつい。

私はこれが理由でもうパッケージにはあまり関わりたくないのです。

コンビニやスーパーでは、一度棚落ちすると二度と入れてもらえないので、毎年リニューアルして「ロゴがもっと大きく目立つようになったんですよ〜」「おいしい!が大きくなってアピール力が上がりました〜」…..なんて理由で、メーカーさんが営業しなければならないんですよね。

売れ筋がいいのに無理やりリニューアルデザインをやらされて、無理やりロゴを大きくしたり立体にしたりコピーを大きく入れたりしなければならないので、だんだん新聞の折り込み広告みたいな下品なデザインにさせられます。

日本の「ブランドを作っては切り捨てる」習慣があまりに良くない。デザイナーにはどうしようもありません。現場は疲弊するけど仕事単価が安くされるので給与が高くありません。

つまり景気の悪い業界です。

給料がそこそこ!

低いって言うほどではないですが、残業代が出ないしボーナス無しです。(会社による)

働いた時間ほどの給与をもらえません。

年功序列で、いわゆる何にもしていない(?)50代が高いお給料を持っていきます。

社員が「定額使い放題」なので、効率の悪い仕事を改善してもらえない。余計徹夜が増える。

実力主義…と思わせて実は給料は社長のお気に入りほど多くもらえる笑。仕事量と売り上げが関係なかった笑。

散々私に仕事を押し付けていた先輩、最後まで私より給料もらってましたね!泣いた。

 

まとめ

長くなりましたが、いいところも悪いこともたくさんありましたね。

思い出しながら、「楽しかったな〜」と思っていたので総合すると「楽しい」仕事なのだと思います。

私は雑誌のデザイン会社で働いたこともあるのですが、パッケージより雑誌の方がずっとしんどい仕事です。パッケージは業界ではましな方。その話はまた。

この記事を読む人はパッケージデザイナーに興味があって読んでくださったのかな?

もしそうならば、「独立して何か事業をする」事を視野に入れて働かないとダメです。

多くの人が体を壊すのですが、そのまま会社にいいように低給で使われ続けると精神がやられます。

特に、出世に壁があったりする「女性」と、「人に役立つ事がしたい」という善人系の人は危ないです。

「独立するために技術を盗んでいるんだ!」という気持ちで取り組まないと何も得ないまま体だけ壊して無職になります。

EL

「デザイン業界の歩き方」運営の一人。フランス住→帰国して1年 フリーランスデザイナー。特技はフランス語だけど、英語が全然できないポンコツ。でもこんど住むならロンドンがいいなと思ってる。

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