【ドイツのデザインが好かれる理由】(車・腕時計・万年筆)

プロダクトデザインにおいてドイツメーカーの存在はもの凄く大きいです。

バウハウスから始まり、長い間デザイン業界を引っ張ってきた国でもありますよね?

 

そして最近ではさらに「ドイツ製品デザイン」の評価が急上昇中。

デザイナーの中には『今はドイツデザイン一人勝ちの時代だ!』という人もいるほどです。2016年現在、製品輸出による貿易黒字額が欧州諸国の中でダントツNo1で、政治的に周辺国との間で摩擦が起きているという話も聞きますσ(^_^;)

 

何故これほどまでにドイツ製品は好まれるのでしょうか?

今日は、デザイン視点で考察してみたいと思います。

 

ドイツデザインの特徴

f:id:CARBON-design:20160619100629j:plain

一言で表すなら『質実剛健』ではないでしょうか?

それは、20世紀ドイツで「バウハウス」という美術・建築・デザインの指針となる考え方を学ぶ学校があったのですが、それが今なお色濃くドイツのデザインに影響を与えています。

 

 Form follows function.
■形態は機能に従う

「フォーム・フォローズ・ファンクション」という言葉はプロダクトデザインの勉強を始めて最初に出会う言葉ですが、ドイツ製品をみていると忠実にこの考え方を継承していると感じます。日本では機能や加飾を付けたす、『足し算のデザイン』が多いですが、ドイツでは新しい技術、工法を生かし『引き算のデザイン』を得意としています。形はシンプルですが、圧倒的なクオリティーと実用性を重視した製品が多いのが特徴です。

ちなみに「 Form follows function.」は19世紀、ルイス・ヘンリー・サリヴァン(建築家・アメリカ)が最初につくった言葉とされています。㊟諸説あります。

(語弊があるかもしれませんが、「Apple」製品は個人的にジャーマンデザインを色濃く反映していると感じます)

今、ドイツのデザインが注目される理由 

f:id:CARBON-design:20160515231106j:plain

これは世界的なデザイントレンドが影響しています。

【装飾的・感情的】なデザインと【本質的・論理的】なデザインは波のようにそれぞれ交互にトレンドがやってきます。

(一説にには、過去100年でみると数十年単位の波だと考えられてきました。そして最近ではその波の周期が加速的に短くなっているという調査結果があります。トレンドは年々読みづらくなっているみたい^^;)

 

そして今現在。

変化が激しく先行きが不透明な時代だからでしょうか?

製品・モノには『本質的』なものが求められているようです。『究極の普通・ノームコア』などのトレンドワードはしばらくの間有効でしょう。まさにジャーマンデザインの得意とする領域ですね。

 

「差別化のデザイン」が少し前に流行りましたが、今ではもうデザイナーの中では死語に近い言葉になっています。ブランドの本質を突き詰めていった結果として差別化されなければ意味がないとの結論を出している人が大半ですね。

その点、ドイツメーカーは初めから「差別化」される為の本質を分かっているので、上手に「プレミアムブランド」として確立・認知されるのだと思います。

 

元から格段にクオリティーの高い製品を生産していた上に、世界のトレンドがドイツデザインの方向性と合致しているのが『今はドイツデザイン一人勝ちの時代だ!』と言われる所以でしょう。

 

ぼくの好きなドイツメーカー

 ここからは個人的に好きなアイテムの車・腕時計・万年筆について。要注目なドイツメーカーをご紹介します^^どれもドイツデザインらしい質実剛健なデザインが特徴のブランドです。

 

AUDI

f:id:CARBON-design:20160515233246j:plain

製品クオリティーという観点からみると、数ある車メーカーの中で最もハイレベルで群を抜いています。パーティング隙の小ささやプレスの精度、ランプ類の造り込みはもはや大量生産品の域を超えていますねσ(^_^;)

車をデザインしている友人曰く、『トップベンチマーク』となるメーカーだそうです。

近くで観察してみると伝統工芸品のようなオーラすら感じませんか?日本車も頑張って欲しいですね(汗

 

そしてAudiは日本の太陽光・町並みにも合っている気がします。

車は観る国の環境によって表情が変わるのが面白いですね^^

 

NOMOS

f:id:CARBON-design:20160515232718j:plain

ノモス(NOMOS)は1906年にドイツのグラスヒュッテにてグイド・ミュラー(Guido Müller)が創業した時計メーカーです。最初は懐中時計を造っていたようです。

ブランド名のNOMOSはギリシャ語で「秩序・規律」 

 

個人的にバブリーでギラギラした『デカ厚』デザインは苦手なのです^^;

ノモスは正反対の非常にシンプルで美しいNOMOSが好感高し。 ぼくは下記モデルが欲しいのですが、問題はお金・・・コスパが高い、お手頃価格なブランドと言われていますが、それでもやっぱり高級メーカー価格><

 

 

MONTBLANC

f:id:CARBON-design:20160516231617j:plain

万年筆ブランドの中で不動の地位を築いているMontblanc。

紳士の証でもありますね。

ぼくにはまだ早いですが、いつかはオーナーになりたいなぁ・・・σ(^_^;)

 

LAMY

f:id:CARBON-design:20160516230332j:plain

 

 

最後に 

モノづくりが主産業であったり国民性が近かったりと、「日本とドイツ」 は何かと比較されやすいですね。自分で行ったことはないのですが、実際どうなのでしょうか?プロダクトデザイナーとして一度は旅したい国です。

 

現状日本では、モノづくりが若干停滞している感が否めないのでドイツブランドから参考にするべき点は多々ありそうですね

 

carbon

プロダクトデザイナー:新卒で大手インハウスデザイナー→フランスで3年働く→東京へ帰国したが働き方に疑問を持ち転職→テレワークをフル活用し湘南の海側へ移住→複業スタイルで新しい働き方にチャレンジ中!

0 0 投票
この記事の評価
通知設定
更新通知を受け取る »
guest
この記事の評価
記事内容の評価をすることができます。執筆者のモチベーションと記事改善に役立ちます
0 コメント
インラインフィードバック
全てのコメントを表示する
0
質問があればコメント欄へお願いします!x