【日本人デザイナーが海外に転職・就職】そして感じた事

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「海外でデザイナーとして働いてみたいな」

「経験も積んだし、そろそろ海外で働いてみようかな?」

 

『海外進出』を考えているデザイナーさんは決して多くはないでしょうが、少なくもないはず。潜在的に「日本だけでなく、可能性を広げておいた方が絶対に将来の為にもなる」と、認識している20代、30代の若いデザイナー数は年々増えている気がします。

 

なんてったって、今は「ぐろーばる」な意識が大切らしいですからね^^:(汗

転職活動中や就職活動中で、実際に『海外』を視野にしている方もいるでしょう。

 

そんなデザイナーさんの中には、

「でも、やっぱり海外となると不安が大きい。。。><」

「実際、海外に渡ったデザイナーはどう感じているのだろう?」

不安に感じている人も当然いるはず。

 

ぼく自身、数年前からグーンと海外のデザイナーさんと働く機会が増え始めましたね。日本内にいても、国境が無くなって来ている感覚がありました。今はフランスの小さいデザインスタジオに潜り込んでいます。

 

そこで、日本人デザイナーが実際に海外で働いて感じた事を、主観ではありますが、ここに記しておこうと思います。これから海外で働く事を考えているであろう、あなたの参考に少しでもなれれば嬉しいです。

 

①デザインスキルの優劣

②文化的な違い

③海外の就職、転職活動について

とりあえず、この3つについて書こうと思います。

 

※ちなみに、ここで言う『海外』は欧米を指しています。お隣の韓国や中国は同じアジア圏なので聞くところによると、「案外、海外で働いている感じは少ない」という声を良く聞きます。距離も近いので日本と行き来しやすいですしね。

 

韓国は、日本と比べてより『グローバル志向』が強いですが、働き方は日本と似ている感じ。中国は、現在凄い勢いで変化しているので、正直なんとも言えません。。。

 

①デザインスキルの優劣

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結論から言ってしまうと、「デザインスキルは日本のレベルとさほど変わらないな」というのが素直な感想です。(これはプレイヤーとしての立場のお話です。マネジメントはまだ語れる程経験していないので除外しています。ジャンルはプロダクト、UI、グラフィックが観察対象)

 

「海外のデザインって洗練されていてカッコいい!」

「海外デザイナーはみんな優秀なんでしょ?」

ぼくも、以前はそんな風に思っていましたが、平均値は本当に日本人デザイナーと変わらないと思います。当然、中には飛び抜けたスキルのデザイナーさんはいますが。。。^^;

 

普通に日本でデザイナーとして働けているのであれば、言葉の壁さえなんとかなれば普通に業務で劣等感を感じる事はないでしょう。(語学力で劣等感を感じる事はメチャメチャ多いです><)

 

②文化的な違い

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ちょっと文化の違いで感じた事をつらつらと。。。

▪️仕事の役割分担がキチッとしている。

日本はチームプレー感覚が強いですが、基本個人プレーという気がします。

仕事や役割の線引きがキチンとしているので「それ私の仕事じゃないです」が普通に通ります。

 

縦も横もコミュニケーションコストが高い日本と比べれば、『自分の仕事に集中できる環境』にはあると感じます。

 

しかしその分、日本人で海外に移った人の中には、ある種の孤独感を感じる方も多いようです。

 

▪️ゴールが明確

みんなで悩みながら良いデザインを創り上げる日本。

対して、海外はトップダウンの意思決定が強いです。

 

労働時間に対する生産性は海外の方が高いと感じます。

 

日本のデザインの現場はちょっと長時間、働き過ぎですよね^^;?

「日本では沢山のデザイン案を出す能力」がデザイナーに求められている気がしますが、海外は「トップの求めるものをデザイン案を出す能力」を求められていると感じます。

 

しかし、これはどちらの方が良いのでしょうか?

人それぞれの価値観によりますね。

 

労働時間は長くなりますが、結果的に「色々なデザインテイスト、デザイン案に対応する能力」では日本人デザイナーの方が優れているとも感じますし、色々なデザインを経験できる点では日本で最初のキャリアを積むのも悪くないと思いました。

 

▪️欧州は保守的。米はビジネス的

若いデザイナーさんの感性の違いも地域によって様々。

 

欧州ではデザインを『アカデミックな研究対象』として捉えている様に感じます。定石や普遍性を大切にしている様に思います。結構、保守的なイメージ。

 

一方、アメリカでは若いデザイナーもビジネスに強い関心を持っている様です。在学中にかなりの数の『学生が起業』をするのが当たり前らしい。。。スタートアップへの関心も高いと感じます。こちらは攻める系ですね。

 

各々、自分の特性に合わせた地域、国選びをしても良いかもしれません。

 

▪️生活は日本が一番便利!

 生活は圧倒的に日本が便利。

本当に日本のサービスの質の高さや、土日、深夜、いつでも求めるものが手に入る環境には驚きです。日本の住みやすさは普通じゃないですね^^;

 

その代わり、働く側としてはユーザーやクライアント、同僚に気を使うので大変ですが。。。まぁ、一長一短ですね。

 

③海外の就職、転職活動について

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海外は日本の様に『新卒一括採用』は存在しません。

なので、日本のデザイナーの就活システムとも異なります。

 

基本は、

①ポートフォリオ送付

②運が良ければ返信が来る(一年後になる場合もある) 

③面談

④実際に働く。試用期間(欧州では基本6ヶ月)

⑤正式採用or採用見送り

 

上記の様な手順を辿ります。

インターンやフリーランスとして活動しながら、デザイナーとしての実力をつけつつエントリーする人も多いみたい。結構大変です^^:日本の方が楽かもしれませんね。

 

ちなみに、また聞きのお話ですが、、、海外の学生は日本の新卒一括採用システムを知らないので「大学卒業してすぐに、有名企業に入社した」(ソニーとかトヨタ、任天堂など海外でも知られている企業)と言うと、「もの凄い才能ある人だ!天才だ!」と思われるそうです。ビバッ!ポテンシャル採用!

 

仕事に就く際に重要視される事は?

『コネ』や『知人の紹介』が結構重要視されるみたい。

日本よりもこの傾向は強いと思われます^^;

 

海外に知人がいない場合は、国内外のイベントやSNSで、興味ある会社の人と知り合うとかが良いのかな?(多分、コネが無くても興味深い経歴やポートフォリオがあれば就職できるとは思いますが。。。)

 

まとめ 

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個人的には「日本と海外って、年々近づいているな」と感じています。

ネットの発達で日本にいる家族との連絡も取りやすいですしね。

 

ひと昔前とは、状況は大分変わっています。

興味がある人は気楽にチャレンジしても良いでしょう^^

 

最後に。

幸いなことに日本はまだまだ裕福な国なので、海外に行かずとも『自分が勝負できる場所』があれば十分良い暮らしができるでしょう。

 

でも、海外でデザイナーとして働いている人達は結構な割合で「自国では余り仕事がない、、、」という状況の人も多く、「やりたい仕事をする為に、違う国へ渡る」という強い意志を持っています。

 

スキルや知識では日本も十分戦えると思いますが、この強いメンタリティーは見習わないといけないな。と最近強く感じています。

 

でわでわ、今日はこの辺りで。

良いデザイナー人生を〜〜〜^^!

 

carbon

プロダクトデザイナー:新卒で大手インハウスデザイナー→フランスで3年働く→東京へ帰国したが働き方に疑問を持ち転職→テレワークをフル活用し湘南の海側へ移住→複業スタイルで新しい働き方にチャレンジ中!

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