私がパッケージデザイナーになった理由、就職試験や必要スキル、魅力を解説!
確実にパッケージデザイナーになるにはどうしたらいいの?
デザイナーの中でも倍率の高い仕事であるパッケージデザイナーを狙うにはコツがあります。
他のデザインでもいいやと思って中途半端に目指していると失敗します。
現役パッケージデザイナーの筆者が、どういう流れで就職したのか語ります!
私がパッケージデザイナーになったわけ
私は学校に入った時点ではパッケージデザイナーを目指していませんでした。
広告業界を目指してグラフィックデザイン学科を選びましたが、パッケージデザインという職業は知りませんでした。
魅力を感じたのは選択授業でパッケージデザインを体験してからでした。
実践で商品企画からパッケージまで体験する授業だったのですが、チョコレートの表現に茶色を使おうとした時に、ちょっと濃いとビターチョコ、薄いとカプチーノ味みたいな印象になるのが面白かったんです。
商品写真もうまく色調整するととても美味しそうになるし、調整しない状態だと青っぽくて全然買う気にならないんですよね。
そういうちょっとした工夫で人の食欲をはっきり左右できることがものすごく興味深くて、もっと研究してみたいと思いました。
こういう、きっかけや理由は大切です。就職試験で必ず聞かれます。
学校選び
倍率が高い職業なので学科を間違えるとまず就職できません。
パッケージデザイナーになるには大学、または専門学校のグラフィックデザイン学科であることが必須条件です。
美大に入ったからといって、プロダクトデザイン学科やテキスタイル学科だとまずチャンスはありません。
イラスト専攻の人がディレクターにはいました。ディレクターというのは営業です。デザインはしない職業なので、パッケージデザイン事務所に就職はできるけど、デザインはできない。ということです。
もしあなたすでに別の学科にいる場合、他の道を考えたほうがいいと思います。
パッケージデザイナーの魅力
グラフィックデザインは「何かを宣伝をする」仕事なので、誰かが作った商品をアピールすることになります。
ですがパッケージは「商品」そのもののデザインなので、店頭にも並びますし、お客さんの手に取ってもらえますし、長く残ります。
歴史に残るようなデザインになることもあります。
海外に輸出されることも多くあります。
また、海外の企業から仕事のオファーが来ることもあります。私は台湾・タイの商品デザインをしたことがあります。
私は「宣伝」よりも「商品」のほうが、デザインをする価値があると思っているのですが
(例えばApple社の製品だって宣伝よりプロダクトの方が価値がありますね)
グラフィックデザインの中では最もプロダクトに近い仕事です。
人生をかける価値のある仕事だと思っています。
勉強しておくべきこと
就職する前に何を勉強するべきでしょうか?
「パッケージデザイン学科」というのがあればいいのですけど、無いのでなかなかわかりにくいですよね。
勉強しておくべきことは、
- レイアウト
- タイポグラフィー
- 写真
- イラスト
- 細かいペーパークラフト作業
- 料理
でしょうか。
選択授業の場合は積極的に取りましょう。
レイアウトとタイポグラフィーは他の授業でも学ぶことなのでもちろん勉強しますよね。
写真の知識もあった方がいいです。デジタル一眼レフの知識です。
広角レンズ・マクロ・ISO・俯瞰・シャッタースピード・絞り
といった単語が理解できるくらいでないと、フォトグラファーに指示が出しにくいです。
イラストは意外と必要で、キャラクターやらパッケージ内に使うイラストなんかは外注せず自分で描く機会があります。
細かい印刷技術を使いながらパッケージのサンプルを組み立てなければいけないので、カッターナイフでの超細かい作業が必要です。
パッケージの多くは食品なので、料理が少しできた方がいいです。
パッケージによく、味イメージの写真が入っていますよね。生クリームとかチョコレートとか…それです。
自分で作ることになります。
就職先の選び方
パッケージデザインの会社は、広告などに比べるとぐっと少なくなるので探すのが難しいですよね?
「どこでもいいか〜」と思っているとどこにも就職できないかもしれません…..。
まずチャンスが大きいのは、講師が学校に教えに来ている場合、その講師に気に入られて斡旋してもらえる道です。
ちょっと意外ですよね?笑
パッケージデザインの授業ではいい成績を残しましょう。
私はダメでしたけど笑。
景気が悪かったりそもそも募集していないこともあるので、運が良ければチャンスをもらえるくらいに思っておきましょう。
他の探し方として、「パッケージデザイン年鑑」を見るという方法があります。
というか必須です。
「パッケージデザイン年鑑」は各デザイン会社の代表デザインが写真付きで載っている辞書みたいなもので、JPDA(パッケージデザイン協会)が発行する、この業界で最も重要な書籍になります。
JPDAホームページからも、各社のパッケージデザインの一部を見ることができるので、学生ならこちらからチェックするのがいいでしょう。
参考:JPDAホームページ
お金が出せるのであれば、「パッケージデザイン年鑑」を買うことをオススメします。
ホームページには載っていない会社もこちらには載っています。
27,500円します。
この業界の人はみんな買うんですけど、本当高すぎますね。
学校にあれば見せてもらってチェックしてください。何年か古いものでも大丈夫です。
気に入ったデザインをしている会社があれば、会社名から各ホームページをチェックしてみてください。
募集があるかどうか見ることができます。
ほとんどの会社は「マイナビ」のような求人サイトでは新卒求人していませんので注意してください。
※中途採用の場合は、ほとんどの会社がHPと人材紹介サービスで募集します。
マスメディアンなどでチェックできます。
参考:マスメディアン
就職試験で大切なこと
さて、働いてみたいデザイン会社を絞って、いざ就職試験となったらどうすればいいのでしょう?
掴んでおきたいコツがあります。
まず、パッケージデザイン会社の就職試験は手間がかかります。
大抵の会社が個別のデザイン試験を用意しているからです。
何社も受けるのは無理です。しっかり絞りましょう!
デザイン試験の内容
試験の第一段階でデザイン試験を受けることになります。
「○○テーマのパッケージをデザインして提出してください」
というようなものです。
イラストレーターやフォトショップを使って、箱やボトルの形に仕上げて提出する必要があります。
数週間かかってしまいますね。授業や他の会社のための時間配分に注意してください。
提出方法は郵送か、写真か、直接持っていって面接を兼ねながらプレゼンすることになります。
私は直接持っていってプレゼンでした。緊張しました。
ポートフォリオの提出
ポートフォリオの提出ももちろんします。「印刷して製本して」と言われる場合もありますが、最近ではPDFも多いですね。
製本の場合は、本のデザイン自体や工夫も必要になります。絵本のようにまとめた人もいました。私もかなり目を引く趣向にしましたよ。
変わった趣向でなくても、A4やA3サイズで、インテリにまとめた同期もいました。それはそれでかっこよくて素敵です。
作品ラインナップは、パッケージ作品が2個以上は必要ですね。
試験のコツ
結構大切なのは、情熱です笑。意外と単純ですね。
パッケージに興味があって、こんなところに魅力を感じますというような本音を言えるようにしましょう。
私は面接で、まさに冒頭に書いたような感想を述べました。色とか商品写真の工夫が面白いみたいなことです。
まあ実践試験でだいたい本気度は見えてしまうので、面接での話はそんなに重要では無いかもしれません。
説全体でかなり時間と手間がかかる試験になるので、本当に入りたい会社に情熱を注ぎましょう。
落ちたらどうしよう?
枠が狭い業界なので、入れないという可能性は十分あり得ます。
そういう時の対処法はこちらです。
- 学校の先生のコネを使う
- 募集していないデザイン事務所に掛け合う
- 別の業界に就職してから転職する
3つとも、実際私の同級生が取った方法ですので実績があります。
当たり前ですが授業は誰よりも真面目に受けましょう。
先生に気に入られていると、就職に困ってもツテで斡旋してもらえるんです。
何にしてもまずは「気に入られる人柄」なのが大切です。
落ちたとしても、雰囲気がそのデザイン事務所と合わなかったという可能性もあるので、落ち込まずにチャレンジしましょう。
まとめ
ちょっとハードルが高い業界ですが、とてもやりがいのある面白い仕事です。
お店で自分のデザインしたパッケージが並んでいるのを見ると嬉しくて何とも照れます…!
その他質問などあればコメントから受け付けていますのでお気軽にどうぞ!
ではまた!
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